最終更新: 2026-10-02|数値は公式公開データの当サイト集計
ST(スタートタイミング)は、大時計が0秒を指してから艇がスタートラインを越えるまでの秒差だ。展示STはスタート展示(予行演習)での値、実STは本番の値で、展示のほうが0.08秒ほど速いのが普通になる——展示ではフライングしても罰則がないためと考えられる。当サイトが2024年1月〜2026年9月の約90万走を集計した数字で、ズレの正体と、予想での使い方を順に見ていこう。
- STは大時計の0秒からスタートラインを越えるまでの秒差。0秒より前はF、1秒以上遅れるとL
- 本番STの中央値は0.16秒。展示STの中央値は0.07秒で、展示の21%は0秒より前(展示はFをしても罰則がない)
- 本番のほうが展示より遅いのが普通。選手ごとに平均すると1,701人全員が本番のほうが遅い(中央値+0.08秒)
- その日の展示STは本番STをほとんど動かさない。本番STはその選手の直近の実STの平均で見る
競艇のSTとは(スタートタイミングの基本)
ST(スタートタイミング)とは、スタート合図から艇がスタートラインを通過するまでの秒差のことです。競艇は大時計が0秒を指してから1秒以内にラインを通過するフライングスタート方式で、0.00が合図ちょうど。0秒より早く通過すると F(フライング)、1秒以上遅れるとL(出遅れ)となり、該当艇の舟券は全額返還・選手には重いペナルティが科されます。
数値を表で見る
| 位置 | 展示 | 本番 |
|---|---|---|
| 10%点 | −0.04 | 0.08 |
| 25%点 | 0.01 | 0.11 |
| 中央値 | 0.07 | 0.16 |
| 75%点 | 0.14 | 0.20 |
| 90%点 | 0.22 | 0.25 |
| 0秒より前(F)の割合 | 21.4% | 0.3% |
| 走数 | 908,798 | 910,250 |
集計期間 2024年1月1日〜2026年9月30日・n=908,798走(当サイト集計(公式の出走表・直前情報・結果))。展示STは直前情報、本番STは結果のスタート情報。本番STはF・Lの艇を除いた値(本番のFは913,152走中2,850走)。箱は25〜75%点、ひげは10〜90%点、箱の中の線は中央値
本番の実STは中央値0.16秒(平均0.163秒)で、0.15秒以下が全体の49%、0.20秒以上が28%。0.15以下なら速い、0.20以上は遅め、と読むのが目安です。級別では、A1級の選手の平均STが中央値0.144秒(B1級は0.172秒)で、A1級の上位1割は0.13秒を切ります。そしてSTには展示STと実STの2種類があり、この2つの「ズレ」の読み方が本記事の主題です。
展示STとは何か
展示ST(てんじスタートタイミング)とは、本走の前に行われる スタート展示(スリット展示) での各選手のスタートタイミングです。本走と同じピットアウト→待機行動→スタート、までを実演する公式の予行演習で、発走のおよそ20〜25分前に行われます。
展示STで押さえておきたいのは、展示ではフライングしても罰則がないことです。本番のFは欠場・返還・30日以上の休みにつながりますが、展示で0秒より前に出た艇も本番にはそのまま出走します(集計期間に194,602走)。そのため展示では0秒ぎりぎりまで踏み込む選手が多く、展示の21%は0秒より前、中央値は0.07秒。本番の中央値0.16秒より0.09秒ほど速くなります。
実STとは何か
実ST は、その日の本走でのスタートタイミングです。賞金が動く本番なので、選手の集中力・モーター調整・コース取りの結果が最も色濃く反映されます。
本サイトでは、各選手の直近の実STの推移をグラフで時系列表示しています。「最近スタートが早くなっているな」「ナイター開催で乱れているな」といった傾向を、数字を読まずとも視覚的に把握できます。
なぜ「ズレ」が起きるのか
展示STと実STは、同じ選手が同じモーター・同じ水面で出す数字ですが、ズレの向きははっきりしています。本番のほうが遅いのが普通です。1走ごとに見ると本番のほうが遅いのは75%(速いのは22%、同じは3%)。選手ごとに平均すると1,701人全員が本番のほうが遅く、差の中央値は+0.08秒でした。「展示は遅めで本番は速い」選手は、平均で見る限り1人もいません。
数値を表で見る
| ズレ(秒) | 選手数 |
|---|---|
| 0未満(本番が速い) | 0人 |
| 0.00台 | 4人 |
| 0.01台 | 9人 |
| 0.02台 | 19人 |
| 0.03台 | 49人 |
| 0.04台 | 90人 |
| 0.05台 | 179人 |
| 0.06台 | 201人 |
| 0.07台 | 259人 |
| 0.08台 | 301人 |
| 0.09台 | 230人 |
| 0.10台 | 161人 |
| 0.11台 | 90人 |
| 0.12台 | 51人 |
| 0.13台 | 31人 |
| 0.14台 | 12人 |
| 0.15台 | 4人 |
| 0.16台 | 6人 |
| 0.17台 | 3人 |
| 0.18台 | 1人 |
| 0.19台 | 1人 |
| 合計 | 1,701人 |
集計期間 2024年1月1日〜2026年9月30日・n=1,701人(当サイト集計(公式の出走表・直前情報・結果))。展示と本番がそろう908,046走から、1人50走以上の選手だけ。棒1本は0.01秒の幅(0.08台=0.080〜0.089秒)
ズレが生まれる理由として、主に3つが考えられます。
①展示はFをしても罰則がない
本番でFを切れば欠場・返還・休みですが、展示なら何も起きません。選手は展示で0秒ぎりぎりのタイミングを確かめ、本番では安全のための余裕を少し残して出ると考えられます。この余裕が、平均でおよそ0.08秒のズレになって表れます。
②コース(5・6コースはズレが大きい)
1コースは本番STの平均が0.152秒・ズレが+0.077秒なのに対し、6コースは0.180秒・+0.100秒。ズレは2〜4コースでは+0.073〜+0.079秒と1コースとほぼ同じで、5コース(+0.091秒)と6コースで大きくなります。外の5・6コースでは、本番でより慎重に出ていると考えられます。
③風・水面などレース全体の条件
ズレはレースごとにも動きます。ズレのばらつきのうち約35%は、同じレースの6艇がそろって動く分でした。16%のレースでは、6艇の平均で本番のほうが展示より速くなっています。展示から本番までの間に風や水面が変わると、レース全体のスタートがずれると考えられます。
ズレを予想にどう活かすか
実STと展示STを比較するときに見るべきポイントは 3つです。
1. 展示STの数字だけで本番を読まない: その日の展示STは、本番STをほとんど動かしません。展示STが0.00〜0.04だった走でも0.20以上だった走でも、本番STの平均は0.159〜0.172秒でほぼ同じ。同じ選手の中で比べると、展示STと本番STの相関は0.02しかありません。
数値を表で見る
| 展示 | 本番STの | 走数 |
|---|---|---|
| 0秒より前 | 0.161秒 | 194,602 |
| 0.00〜0.04 | 0.159秒 | 156,673 |
| 0.05〜0.09 | 0.161秒 | 192,943 |
| 0.10〜0.14 | 0.164秒 | 142,965 |
| 0.15〜0.19 | 0.165秒 | 105,277 |
| 0.20以上 | 0.172秒 | 116,338 |
| 展示 | 本番のほうが |
|---|---|
| 0秒より前 | 0.0% |
| 0.00〜0.04 | 0.7% |
| 0.05〜0.09 | 6.8% |
| 0.10〜0.14 | 25.0% |
| 0.15〜0.19 | 53.4% |
| 0.20以上 | 84.5% |
集計期間 2024年1月1日〜2026年9月30日・n=908,798走(当サイト集計(公式の出走表・直前情報・結果))。展示と本番の両方がそろう走。縦の線は本番STの全体の平均。「本番のほうが速かった」は本番ST<展示STの走
2. 本番STは過去の実STで見る: 選手の本番STを見立てるなら、直近の実STの平均がいちばん頼りになります。1走だけでは結論は出ません。直近の数走で測った平均と、その選手の長い期間の平均との相関は、1走で0.25、6走で0.48、20走で0.66。10〜20走以上の平均と振れ幅をセットで見るのが鉄則です。
3. コース別の傾向: 本番STの平均は1コースが0.152秒でいちばん速く、6コースは0.180秒。STを見るときは「平均」より「コース別」で見るほうが実態に近い。
ズレの大きさそのものは選手ごとの個性で、1年以上たってもあまり変わりません。ズレが小さい「本番強い型」と大きい「練習強い型」の見分け方はズレの深掘り編で解説しています。
当サイトでの確認方法
本サイトのレース詳細ページでは、各選手の「指標の推移」グラフで 実ST と 展示ST を選択でき、時系列で重ねて見ることができます。期間も 1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月/1年/全期間 から切り替え可能です。
さらに、選手詳細モーダル(出走表の選手名タップ)では、平均ST を 全国/当地/モーター単位/ボート単位で表示。同じ選手でもモーターによる違いが一目で分かります。
よくある質問
展示STが0.20以上の選手は買わない方がいいですか?
展示STだけで切る理由にはなりません。展示STが0.20以上だった走でも、本番STの平均は0.172秒で、全体の平均(0.163秒)と0.01秒ほどしか違いません(85%の走で本番のほうが展示より速い)。見るべきは、その選手の直近10〜20走の実STです。
STは数値が小さい(0に近い)方が良いんですか?
はい。ただし0.00より前に出るとフライング(F)となり、その走は欠場扱い(舟券は返還)、選手には30日以上の出場停止が課されます。早ければ早いほど良いわけではなく、 0.05〜0.15 あたりが理想とされます。本番STの中央値は0.16秒で、0.15以下は全体の49%です。
風の影響で展示STと実STが大きく違うことはありますか?
あります。レースによっては6艇がそろって展示と本番でずれ、ズレのばらつきの約35%はレース単位で動く分でした。16%のレースでは6艇の平均で本番のほうが展示より速くなっています。展示と本番の間に風向きや水面が変わったときは、展示STを割り引いて見るのが無難です。風向きは公式サイトの「気象情報」で確認できます。
ここまで読めば、最新レースの数字も別の角度から見えてくるはず。
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